輸送サービスの品質を向上させ、品質マネジメントシステム(QMS)の有効性を継続的に改善させるためには、一も二にも、現場の要員、すなわち、ドライバーの適切な管理とQMSの積極的な参画が必要不可欠です。
サービス業の一つであるトラック輸送サービスを他のサービスと比較した際、最も異なり、特殊性・オリジナリティーがある特性として、「要員(ドライバー)が単独で行動することが非常に多い」ということが挙げられます。トラックに乗務するドライバーは、単独行動が業務時間の大半を占め、乗務中は管理者によるチェックが困難です。必然的に、ドライバーによる自己管理が厳しく要求されることになります。GPSなどの動態管理システムの普及で、運行中の状態もリアルタイムで管理できるようにはなってきていますが、それでもまだ、ドライバー各自に自己管理を依存しなければならない要素が多いのも事実です。
トラック輸送サービスの特性を次にまとめます。
トラック運送事業者がQMS適用組織の範囲を決定するにあたっては、二つの点に留意する必要があります。一つは、事業所など、場所の範囲の特定であり、次は、「製品/サービスの範囲」、すなわち、QMSの対象となるサービスの特定です。
まず、事業所など場所の特定については、トラック運送事業者のQMS構築においては、それほど悩まなければならない事項ではないと思われます。可能であれば、すべての事業所を対象範囲とすることがもちろんベストです。ただし、車両基地としての機能がなく、また、法令上でも運行管理者を設置する義務もない出張所のような扱いの事業所が存在する場合もあります。このような場合、組織の輸送サービス全体のプロセスから見て、当該事業所(出張所)をQMSの範囲に入れないことで、輸送サービスを要求事項に適合させることに何らの影響を及ぼさないようであれば、QMSの範囲外とすることも可能でしょう。
次の「製品/サービスの範囲」で、QMSの対象となるサービスの範囲の特定について解説すると、「製品/サービスの範囲」は漠然としたものではなく、具体的に特定されなければならないものであり、不明瞭な表現であってもなりません。また、顧客に誤解を与える形容詞付きの「宣伝的」な表現も不可です。
たとえば、次のような事例では、具体的かつ明瞭であるとは特定できません。
輸送サービスの品質を向上させ、QMSの有効性を継続的に改善するためには、まず、輸送サービスの特性を十分に理解する必要があります。そして、そのサービスの特性と正面から向き合って、サービスの特性そのものを改善していくことが、輸送サービスにおけるQMSの有効性を継続的に改善するためのポイントとなります。
「サービスの特性」で解説した3つの事項から、そのサービスの特性を改善するためには、要員を適切に管理することが最も重要であるということが分かります。
輸送サービスにおける要員(ドライバー)を適切に管理するためのポイントは以下の通りです。

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