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第35回 「本格化するISO認証取得」

iso36.jpgISOの認証取得企業がトラック業界でも増加している。産業界や建設業界では「認証取得のピークは過ぎた」(ISOコンサルタント)が、トラック業界ではこれからISO認証取得が本格化しようとしている。

要因の一つには大手・中堅企業から中小零細事業者にその取得企業が移り、小規模の運送事業者でもISOに対する関心が高まっていることがある。

環境規制の強化に合わせて荷主企業がISO取得を取引条件の一つにする傾向が出始めていることもあるが、競争激化の中で社員の教育や意識の向上、また、サービスレベルの向上、環境対策など「新たな企業創業」を目的にISO取得に取り組んでいるようだ。

埼玉県で食品物流を専業としている運送事業者は品質ISO(9001)の認証取得にあわせて取引先顧客すべての作業マニュアルを作成した。これまでも顧客単位に作業手順を定めるなど細かな対応を行ってきたが、「オペレーター(運転手)がすべての仕事をこなし、効率の良い業務態勢をこなしていかなければならない。今後はISOを末端の隅々まで浸透させることが課題」と言う。従来もレベルの高いサービスを提供してきたが、ドライバー個々の能力次第の態勢から、全社上げた高度なサービス力を保持するためにはマネジメントシステムの確立やISOの認証取得が必要と判断したわけだ。

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また、同じく埼玉県内で食品物流に特化し成長を続けている中堅の物流事業者も昨年、品質ISOの認証を取得した。「ハイクォリティ・ロープライス・ベストサービス」という、運賃市場が下落している中でこうした難題をクリアするには、従業員のレベル向上を含めて会社全体のシステム力を引き上げる必要がある。サービスレベルにはこれまでも取引先から高い評価を得ていたが、「ISOは認証取得に関わることで、社員の意識が変わってくる。意識レベルを高めることが目的」と話す。競争相手が同業者から流通業者や大手物流業者などへステップアップする中で、将来に対する不安を抱えていることは容易に察しがつくが、従業員意識、サービスレベルの向上によりより強固な企業基盤が作れる。それをISOでアプローチしたわけだ。

環境規制の強化、不況の長期化による運賃の下落など業界を取り巻く経営環境は一段と厳しさが増している。企業存続の生死を握る環境問題に適切に対応し、より高度なサービスレベルを提供し厳しい競争社会を生き残っていくことが求められている。免許制度に守られていた時代とは異なり、ある意味では根本的な経営体質の再構築が求められている。そのツールとしてISOなどを通じ品質マネジメントシステムや環境マネジメントシステムを構築し、新たな「企業文化」の確立が求められている。

2006年11月20日
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